研修報告|新規従事者指導支援事業講習会〜後編〜
伝統的工芸品産業振興協会の主催事業、新規従事者対象の講習会レポート後編です。
2日目は松屋銀座にて開催の「第二回銀座名匠市」に。まずは大館曲げわっぱのブースから見学。
会場内で気になる出店ブースを訪問し、店頭に立つ産地の方に話を聞きました。
大館曲げわっぱと同じく、秋田から参加した角館市の伝統的工芸品《樺細工》。樺とは山桜の木皮のこと。曲げわっぱ製品の正面に綴じられた素材と同じものを使用しています。代表的な商品に、茶筒や文箱があり、近年はアクセサリーも人気です。 ある職人は、自分たちにとっても身近な素材、「樺」の採取について質問したそうです。柴田慶信商店と同じく、一番皮を使用しているとのことで、採取の目安として標高400m付近のものが良い、など…様々なことを教えていただきました。
素材の共通点から、樺の端材を活用したものづくりが自社でも出来るのでは、との感想もレポートに見られました。 その他、秋田県ふるさと工芸品に指定される秋田銀線細工や、甲州水晶貴石細工など、県内外の様々なブースを訪問し、話を聞いたそうです。
3人の報告を聞いていると、今回の研修は知識を深めること以上に、異なる分野の作り手と対話することで、ものづくりに対するモチベーション向上の機会になったことを感じます。
秋田に戻る前には、日本橋三越本店内の直営店にも。
自分たちが手がけた曲げわっぱは、どのような場所で販売されているのか、製品を仕上げたその先についても、意識を広げるきっかけになりました。