和せいろごはん
本日から端午の節句企画品、和せいろ六寸の店頭予約を開始しております。
自分が初めて曲げわっぱのせいろで作った料理、それは山菜のおこわ。

5年前のこと。4月に緊急事態宣言が発令され、柴田慶信商店でもゴールデンウィークはやむなく店舗を一時休業することが決まりました。
自宅で過ごす時間が増え、時折モヤモヤとした不安に襲われます。じっとしていると良くないことばかり考えてしまうので、気分転換も兼ね、曲げわっぱで自炊を楽しもう!と思い立ちました。
秋田の春の美味といえば山菜。天ぷらとお浸しはよく作るけれど、今は時間に余裕があるのだからと、おこわを作ることに。スーパー内で品切れが続くマスク、消毒薬を横目に、山菜を吟味したことを思い出します。

あの時からもうすぐ5年。久しぶりに山菜おこわを作りました。
3合分作るため、六寸サイズを使用。今回は水煮したわらびや姫竹、にんじん、油揚げを材料に。久しぶりのおこわ調理のために、蒸し布を用意しました(私はおこわ以外に布は滅多に使用しません)。

出来上がったおこわをわっぱに移している際、家族が和せいろを見てふと一言。
「こんなにシンプルな作りのに、もち米が炊けるんだものな」
現代の炊飯器ももちろん便利ですが、和せいろは昔ながらの多機能調理道具。
5年前に比べ、せいろ蒸し料理を紹介するTV番組や、レシピ本は随分増え、せいろご飯の可能性は私の中でどんどん広がります。
塩麹を使った蒸し鶏、お魚の香菜蒸し、蒸しパン、離乳食…
また作りたい料理、新たに挑戦してみたい料理は様々ありますが、一番のお気に入りは、下味をつけないシンプルなお野菜蒸し。素材本来の味わいを、塩胡椒だけで楽しむことができます。
さて、翌日のお昼にもいただいた山菜おこわ。
もちもちの食感は一晩たっても変わらず。山菜を噛むたびに感じるみずみずしさを引き立ててくれました。

美味しくいただけた、と家族からも感想のメール。
健やかな美味しさと、ぬくもりをわけあう喜び。
我が家にとって、和せいろはなくてはならない道具になりました。