日本の曲げ物|ポッポ膳
ようやく秋らしい、涼しい日が増えてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近の大館市は、日中は過ごしやすく秋晴れの日も多くなってきました。朝晩は一桁台の気温となってきたので、風邪には気を付けたいところです。
今日は日本に見る、子供の成長を祝うためのうつわ「ポッポ膳」をご紹介いたします。
「ポッポ膳」は福岡県前田市の伝統的な子ども用の祝い膳です。
檜材に入れた紐幅の切り込みに熱湯をかけ、手早く曲げて膳の枠組みを作ります。
乾燥させた後、合わせ目を桜の皮で綴じ、底板を嵌めます。
膳の表面および側面には、松竹梅と鶴亀といった、めでたい意匠が絵付けされています。
「ポッポ」とは鶴のこと。
鳥を「ポッポ」と呼ぶ幼児語が、そのまま定着したと考えられます。
ポッポ膳は、男女ともに三歳で迎える「御膳座りの祝い」に使われます。
女の子用のポッポ膳にやや高さがあるのは、帯を締めた状態でも苦しくないよう工夫したためです。
膳に並ぶ料理は、親からもらうのではなく、子どもが自分で箸を使っていただくものです。
ポッポ膳とは、子どもが箸の使い方やマナーを学ぶ最初の機会であり、子の成長を祝う親の愛情が託された膳と言えるでしょう。
こちらはわっぱビルヂング店内にある、日本の曲げ物ギャラリーに展示をしておりますので、お立ち寄りの際はぜひご覧くださいませ。
