【大雨時行】夏の味、とうもろこしご飯をおひつに
大雨時行
植物がぐんぐん成長するように、空高く伸びる入道雲。夕方になると突然土砂降りに見舞われますが、夜には綺麗な星空を楽しめる。そんな季節を迎えました。
思い出すのは、入道雲の下で祖父と収穫したとうもろこし。ボキッ!気持ちの良い音を立てながら、とうもろこしを茎から手折るのに爽快感を感じました。夕立に見舞われた後は熱いお風呂で汗を流し、夜空の下で食べたとうもろこしの味。優しい甘味が一粒一粒に詰まった黄色い実には、家族の思い出が詰まっています。
ハウスものや冷凍食品を含め、今は季節を問わず手に入るとうもろこし。ただ、旬の食材は色艶がよく、とうもろこしのぷっくりとした実は密に詰まっています。見事なとうもろしを見つけると、そのまま茹でるか蒸すかして、かぶりつきたい気持ちになりますが、その気持ちを抑えつつ…この季節ならではのとうもろこしご飯を作りました。
綺麗に専用カッターで落とした実は、土鍋でご飯と一緒に炊き上げました。
まだ加熱調理前ですが、実がぷっくり、つやつや!
土鍋で炊いたとうもろこしご飯は、白木おひつ六寸によそいました。旨味が逃げないようにするため、ご飯があたたかいうちに蓋を。湯気、すなわりご飯から出る水分は、おひつが呼吸をするように吸い取ってくれます。
おひつの中では、ごはんも、とうもろこしも、適度に水分を含んでいます。蓋を閉めてしばらくおいても、ご飯がべちゃっとしていません。白木(無塗装)おひつやお弁当箱の冷やご飯が美味しい理由はここにあります。さらに食欲をそそるのは、天然杉の芳香。ふっくらとしたお米に包まれたとうもろこしが、小気味いい食感と天然の甘みを運んでくれます。
じんわりと甘味を感じながら思い出すのは、幼い頃に入道雲を見上げた夏の思い出。今度里帰りしたら、家族のためにとうもろこしご飯を作ってあげよう、そう思いました。