伝統的工芸品教育事業の様子 -大館市立有浦小学校-

 

 秋晴れの気持ちよい日。

 今年も、大館市立有浦小学校の6年生97名を対象に、
 曲げわっぱ製作体験をおこないました。
 作ったものは曲げわっぱの「飯椀」。
 大館曲げわっぱ協同組合が取り組む、伝統的工芸品教育事業の一環です。
 大館市内の工房が共通の型を使った飯椀のキットを用意し、
 それぞれ担当の学校に赴き、製作指導をします。
 有浦小学校には柴田慶信商店から、合計12人が講師として派遣されました。

 この日の会場は小学校の体育館。
 窓からは柔らかな光と、爽やかな秋の風が流れ込みます。




授業では10〜11人で一班になり、製作開始!それぞれの班に職人が付き、児童の製作をサポートします。製作体験で行うのは、糊付け、底入れ、やすりがけの作業。曲げわっぱ製作における「仕上げ」。「皆さんが10年後も、ずっと使いたい曲げわっぱを目指して作ってください」と職人が伝えました。

  

「初めは簡単だと思っていた」とは最後の感想で聞こえた言葉ですが、力が必要な場面、細かな集中力が必要な場面…製作工程のほんの一部分、短時間の授業のなかで、児童の皆さんはさまざまな場面を経験したのでは?
力が足りないなら…と隣の児童とで協力し合ったたり、困った時は即座に職人に相談したり。あれ、なんだか自分たちを見ているような?誰かに相談するだけではなく、時に職人顔負けの睨むような視線で曲げわっぱを見つめ、手を動かす子もいました。


(不思議と、座り方にも職人ぽさが…)

この飯椀は給食の時間に皆で使うもの。最後の紙やすりの時間、何度も何度も手触りを確かめるような子もいました。仕上げの仕上げとして、名前を裏底に入れ、完成!


曲げわっぱを手にして嬉しそうな子、お互いに見せ合いっこする子、体育館に差し込む光が、充実した皆さんの笑顔を輝かせました。

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