商品研修〜手の平弁当箱〜|秋田本店の風景

「女性の手の平にも収まる」細身の楕円弁当箱

白木手の平弁当箱はやや四角に近い小判形で、料理カップを使ったおかずも詰めやすい点に特徴があります。無塗装の「白木仕上げ」であることで、吸湿性・通気性を十分に活かし、白飯をたいへんおいしく食べられるお弁当箱です。また、天然杉のほのかな香りが、おいしさをより一層引き立てます。 ⁡

手の平弁当箱の最大の特徴は、底につけた「鍔」にあります。下に同じ大きさの本体を重ねられる、スタッキング仕様の作りとなっております。本体のみを買い足すと、日によって二段弁当箱としてもお使いいただけます。蓋は被せ蓋と上げ蓋の2種類がございます。仕切り板が1枚ついています。

「この形でもっと大きなものを」とお客様からお声がけいただき、被せ蓋タイプは大サイズも展開しております。大人のお客様に人気のサイズです。 食べ終えたら上段を下段に収納出来る、入れ子式二段の手の平弁当箱もございます。 ⁡

手の平弁当箱の歴史

それは同じく定番の小判弁当箱の小サイズや中サイズよりも前にさかのぼります。80年代の商品カタログを見ると、小判弁当箱の大サイズ、ほかに丸弁当箱とその深型、二段弁当箱(きこり弁当箱プロトタイプ)、と弁当箱のバリエーションはわずかでした。 写真2枚目は手の平弁当箱が作られる前のカタログです。(タッパー付き、という商品も気になりますね…そちらについてはいずれ何かの機会に。)

手の平弁当箱誕生のきっかけも、大館曲げわっぱ協同組合の意匠開発事業によるものでした。 当時としては珍しい、曲げ輪に「つま」のないスッキリとしたデザイン。現在も小判弁当箱や丸弁当箱では、「つま取り」をしておりますが、本来の目的は接着力強化のためでした。今のように強力な接着剤のない、にかわや米糊を使用していた時代の名残として、接着部分の外側に当たる曲げ輪の先端両隅を、小刀でそぎ取り、仕上げていました。 ⁡

お客様に育てていただいた弁当箱

元々手の平弁当箱は「上げ蓋」のデザインのみ、そして、ワンサイズのみでした。被せ蓋が生まれたのは、催事でお客様からリクエストいただいたのがきっかけです。
手の平弁当箱被せ蓋の大サイズ(約650ml)もまた、2010年代に入ってから、お客様のリクエストをもとに作られました。しかし、蓋に反りが出やすいというお声があり、今後販売予定の商品では蓋をやや深めにお作りしています。オンラインストアでも、次回入荷分からは、新しいサイズの蓋に変わります。

木が反ると書いて、板

天然素材を生かしたものづくりは、動き続ける木という生き物との、絶え間ない戦いの連続です。おそらくそれはいつの時代になっても変わりないもの。 ⁡ 昔の曲げわっぱ職人も、自分たちと同じことを考えていたのでしょうか。若き日の慶信の姿を見ながら、想像をめぐらせます。 ⁡

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